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【こりゃ~困った】太陽光発電がイワナ・ヤマメを全滅させた! [釣り]

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自然に優しいエネルギーの決定版のように語られる太陽光発電だが、京セラによる発電所の設置工事現場では、聞こえるのは悲鳴ばかり。引き起こされていたのは「自然に優しい」が聞いて呆れる環境破壊だった。

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 茨城県の水戸や日立よりもさらに北の山中を訪れると、山林が禿げたように切り開かれ、下から眺めると、遠目に太陽光パネルがうっすらと見えた。

 今なお工事中の、この国木原太陽光発電所について、ネットなどには、「日本の未来に貢献」といった文言が躍るが、現場の下方を流れる十王川の川底には、異常なほど土砂が溜っているのが、素人目にも確認できる。その上流の黒田川に至っては、堆積した砂が水面の上にまで顔を覗かせる。

「未来に貢献」するどころか「未来」を「破壊」しているようにも見えるが、地権者の一人は未来に期待していたと、こう語る。

「この地域は過疎化していて、産業を興すことは難しい。でも、太陽光発電を始めれば、荒廃した山を宝の山に変えられます。県や市は動いてくれないので業者を探しましたが、土地を売りたくないので、賃貸で発電事業を進めてくれる業者を選びました」

 結果、元請け業者は京セラの子会社、京セラコミュニケーションシステムに決まった。ところが、

「工事が始まると土砂が流れ出た。雨が降るたびに粘土質の黄色い土砂が流れ出し、工事が始まってから時間が経過しても、全然改善されないのです」

 地元の関係者に、もう少し詳しく語ってもらおう。

「十王川では毎年4~6月にヤマメやイワナを放流して釣り客を誘致し、住人は日釣り券の売り上げを生活の足しにしてきました。漁協もあって組合員が200人くらいいます。ところが昨年は、放流した稚魚が全滅。粘土質の土砂が混ざった濁流が流れ込み、土砂がエラに詰まって窒息死してしまったのです。魚を狙う野鳥も現れなくなりました」

 このためやむなく、

「漁協主催の釣り大会も昨年は中止に。昨秋、京セラ側から漁協に補償として120万円支払われましたが、土砂の状況は一向に改善されない。でも、今年は京セラ側は、漁協の要求に梨のつぶてだとか。今春の漁協の総会では、組合を今年度一杯で解散するという話になったようです。水田にも土砂が流れ込んでいます」
土も固めないまま
 どうしてこうなるのか。工事関係者に尋ねると、

「京セラの子会社の下に下請けがいますが、県も“京セラの看板があるなら大丈夫でしょう”と、安心して許可を出した。工事は2017年末ごろ始まりましたが、手順が滅茶苦茶でした。木を伐採すると土地の保水能力が落ちます。だから木を伐る前か、遅くとも並行して、水を溜める調整池を設ける必要があるのに、それを作らなかったのです」

 別の工事業者に話を引き継いでもらう。

「県の指針で、雨を集める調整池の設置が定められているのに、当初それをまったく作らず、県に言われてようやく作った。ところが、その後も調整池に水が溜ると、ポンプを入れて濾過もせず強制排水していた。調整池の役割をまったく果たしていません」

 それにしても杜撰だが、なにゆえそうなるか。

「掘り起こした土は軟らかく、そのままでは降雨や少しの揺れで崩れます。そのため“転圧”といい、土に荷重をかけて固める必要があるのですが、それがなされていなかった。だから、調整池がすぐに土砂で埋まってしまい、そのたびに土砂を川に流していた。技術者のレベルも低すぎます」

 自然に酷な発電所。京セラコミュニケーションシステムの広報宣伝部は、

「川に土砂が流れ、調整池からも土砂を含んだ水が流れ、県から指導を受けたのは事実ですが、改善は進んでいます。補償金もお支払いし、川に溜った土砂については、協議することで合意しています」

 と答えた。しかし、これが例外ならまだしも、

「太陽光発電は、福島の原発事故以降、急速に進んだため、規制がないに等しい。自治体ごとに指針を設けるなどしているものの、業者は高い利益率を追い求めて工事費用を安く済まそうとするため、このケースのように平気で破られてしまう。その結果、全国で同様の被害が出ています」(さる科学ジャーナリスト)

 再生可能エネルギーの普及を謳う前に、その安全性を点検すべきではないのか。

「週刊新潮」2019年8月1日号 掲載

新潮社








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